紀元前13世紀ごろ、今から約3000年以上前に活躍したとされる人物「モーセ」。
今回は、そのモーセの物語を描いたアニメーション映画
『プリンス・オブ・エジプト』を紹介します。
以前ご紹介した「知恵の王様」ソロモン王(https://www.iland6.com/israel-column/king-solomon/)と同じく、
モーセも日本では、アニメやゲーム、神話を題材にした作品などを通じて、
名前だけは知っている人物の一人ではないでしょうか。
「海を割った奇跡の人物」という印象が強く、
実際にはどのような役割を果たした人物だったのか、
あらためて触れる機会は意外と少ないかもしれません。
スティーヴン・スピルバーグが制作に関わった
アニメーション映画『プリンス・オブ・エジプト』では、
モーセの生い立ちから、エジプトを離れ、
約束の地を目指して進んでいく過程が丁寧に描かれています。
印象的なのが、日本でもよく知られている「海を渡る」場面です。
海が割れ、人々が迷いなくその中を進んでいく――
そんなイメージを、私自身も長く抱いていました。
しかしこの作品では、人々が戸惑い、立ち止まり、
先の見えない状況に不安を抱えながら、
一歩ずつ前へ進んでいく姿が描かれています。
この映画は奇跡そのものを描く物語というよりも、
後戻りのできない道を選び、困難の中で進み続けた人々の姿と強さが
印象的でした。
映画『プリンス・オブ・エジプト』あらすじ
- イスラエル人の子として生まれたモーセは、迫害を逃れるため幼い頃ナイル川へ流され、 偶然にもエジプト王女に拾われ、王宮で育てられます。
- 成長したモーセは王子として不自由のない生活を送る一方で、 自身の出生の秘密を知り、厳しい現実に直面します。
- 王宮を離れたモーセは、自らの出自と向き合いながら生きる道を模索し、 やがて人々を導く役割を担うことになります。
- 物語の後半では、脱出を目指す人々と追撃するエジプト側との緊張が描かれ、 クライマックスとなる「海を渡る」場面へとつながっていきます。
日本には、古くから数多くの神話が語り継がれてきました。
(イザナギ・イザナミによる国生みの物語など)
イスラエルもまた、非常に長い歴史の中で、多くの物語を受け継いできた土地です。
それらの物語には、人々が困難に直面したとき、
どのように生き、どのような選択をしてきたのかが、
静かに刻まれているように感じられます。
時代や地域は異なっても、神話や物語が持つ力強さは、
今もなお人の心に響くものがあるのかもしれません。
amazon プライムビデオ等で配信されているので、未視聴の方はぜひ一度ご覧になってみてください。
困難な状況の中でも前へ進もうとする人々の姿が、勇気を与えてくれる作品です。

